フリーランス編集者・ライター赤坂太一の公式サイト

福岡と東京をいったりきたり

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「十一歳」

   

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世間では、Apple Watchの発売日。

しかし今日の私は、とあるお寺さんを回る撮影だけの仕事。
撮影だけの仕事なんて、カメラマンみたいですよね。
「そうじゃん」と、いわれるとそうなんですけど。

撮影対象が、「お寺の云々」といわれた時点で、予想がつきそうなものの、
”ソレ”に気がついたとき、「うっ」っと立ち止まってしまった。

あるお寺の境内。お地蔵さんに被されている衣に書いてある文字に目がとまりました。”〇〇〇〇 十一歳”。
その年齢で、なんらかの理由で亡くなってしまった、という意味がわかった瞬間、心の準備もできていなかった私は、しばらくその場で動けなくなりました。

やはり、自分も小さい子どもを育てている親という立場ですので、
どうしようもない悲しい現実だったり、病気だったり、事件というのは、昔よりも確実に敏感になっています。ちょっと想像するだけでキツい。

あたりをよく見回してみると、”そのように”奉納されている仏像が、あちこちにありました。次の現場でも同じような感じ。
最近、お話をいただいた学生さんの前でしゃべるお仕事があるかもしれない、となってから、20歳そこそこの若い学生さんのことも、わからないなりによく考えたりします。会ってもいない生徒を想像して、何を考えているのか、社会に出てどうしたいと思っているのか、はたまたいないのか、と勝手にシミュレーションしたりして、楽しいです。

というくらい、若い世代が愛おしい。

幼稚園児たちが手をつないで散歩。
マンションの階段で小学生がDSに熱中している。
恋の悩みか浮かない表情でトボトボ歩く中学生。

自分のときは、どうだったか知らないけど、
とにかく、そういうひとつひとつの風景が、とても貴重に感じます。

んで、
普段から死とか病気とか、常に意識しているわけじゃないけど、
そういう場所にいくと、嫌でも気づかせてくれるわけです。
そういう気持ちに、今日思えてよかったと思ったら、某芸能人夫婦のお子様のニュースを帰宅してすぐに知り、「今日という日は、そういう気持ちを意識づけする日だったんだな」と。

こんなインターネットのはしっこからですが、
お悔やみ申し上げます。
大人は、まだまだ下の世代に対して、やれることがたくさんあるんじゃないか、と思うここ最近です。

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